いわきからの贈り物プロジェクト
2006.06.07  
廃船組立て仕上げ

作業が始まって3日目。いよいよ明日が記者会見の日。
作品は今日で完成させなければならない。外国でいわきチームが活動するとき重要な役目が通訳 。担当するのがギャラリーいわきの代表藤田君。

彼と私は30年の付き合いであり、お互いの事は良いところも悪いところも知り尽くしていると言っていいだろう 。藤田君は英語もスムーズに話せるが、知らない人とのコミュニケーションもうまい。私と藤田君は同じ高校の同窓生だ。30代の後半、私が出資し彼が運営するギャラリーを始めた。数年後藤田君がギャラリーを買取り今に続いているのだが、ほとんど無名だった蔡さんの個展がここで開かれた。

当時の藤田君が蔡さんに寄せる思いは特別で、それまで絵画に興味のなかった私にこう
▼志賀組メンバー

Photo: Kazuo Ono
持ちかけた。「すごく良い作家と出会った。中国人で蔡國強というが、今回ギャラリーいわきで個展を開催する。是非何点か持って欲しい。」それまで絵を買ったことはもちろん、真剣に見たこともなかった私だが、藤田君の思いに答えてこう言った。「どのくらい買ったらいいか。藤田君が気になっているのを選んでください。」

こうして私は、蔡さんの絵を7点持つことになった。その個展開催時に蔡さんと会い、その人間的魅力に惹かれた。蔡さんはユーモアにあふれ、前向きで誠実だった。それが私の周りの人達に伝わり、今のいわきチームになったのである。
▼廃船の上へ磁器を置く
Photo: Kazuo Ono
▼作品の最終チェックをする蔡氏

Photo: Kazuo Ono

そのいわきチームに[いわきからの贈り物プロジェクト]に使う廃船引き揚げ時から、菅野さんと私の甥の志賀組のメンバーが加わった。志賀組メンバーは本業が土建屋だらか、廃船引き上げや組み立てはお手のものだ。志賀啓之君は私の甥志賀武美の同窓生。そして小野清隆君と大庭君。みんないわきチームを支える優秀なスタッフ。

時差ぼけや言葉の違い 環境の違いを乗り越え ワシントンに続いてカナダでも怪我もなく見事に作品は完成した。いわきチーム本当にご苦労様でした。


完成した作品Photo: Kazuo Ono