「いわきからの贈り物」組み立て日記・・・・・・・・・志賀忠重
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■2009・11・13(金)


出発間際いろいろあったが、台北空港に到着し
ホッとしているいわきチーム
 台湾へ出発、蔡さんとの再会  今年は「いわきからの贈り物」プロジェクトは忙しい。3月のスペイン・ビルバオ・グッケンハイム美術館での回顧展に続いて、台北市立美術館での展示である。 いわきの砂浜から掘り出された北洋船が各国に展示されるのは、我々いわきチームにとってこんなに嬉しい事はない。
 今回の台湾行きは、いつもの7人のメンバーに加え、丸北志賀組の熊谷君が参加することになり、8人が参加。メンバーは出発の1週間位前からソワソワしだして、「海外出張」の準備だ。

 当日2台の車に分乗して成田空港へ向かうことになるが、毎回起こる問題が出発早々に発生する。中郷サービスエリアで待ち合わせるために名和君に電話を入れると、名和君はパスポートを会社に忘れたことに気がつく。平にある会社事務所に取りにいかなければならないという。成田とは逆方向なので最低1時間はかかってしまう。後ろに注意して(以前にスピード違反で捕まっている)できるだけ急いで追いつくようにと話す。
 成田の約40キロメートル手前、道の駅で何とか合流。全員無事飛行機に搭乗することができた。

巨大な火薬画の前で蔡さんが説明してくれる
 夜7時半、台北のホテル亞都麗緻大飯店にチェックイン。通訳の・(セン)さんと今回の台北の個展を仕切る蔡スタジオのスタッフ、キャリスさんが待ち受けている。荷物を部屋に入れすぐに美術館へ。美術館へ行くと、いつも感じる戦場的雰囲気と熱気がムンムンしている。我々いわきチームもなんとなくテンションがあがってくる。蔡さんが半年前と同じ笑顔で迎えてくれる。

 早速、会場を作品の説明をしながら案内してくれる。新しい作品が2つ。ひとつは火薬で描いた34メートルの長さの人物絵。私は色がすごく気に入って、蔡さんに「やっぱり蔡さんの才能、凄いですね」と言うと蔡さんは笑って、「志賀さんが

蔡さんと談笑しながら会場内をまわる
そう言うのを待っていました」と喜んだ。もうひとつは、中国と台湾の海峡に見立て、大きな石で制作した作品。これも面白そうだった。私が北京美術館で見た「作品と写真」で作られた年表もあった。ここには蔡さんとの出会いのいわきで発表した「地平線プロジェクト」もあり、皆足を止めて見ていた。
 蔡さんと私達が会場を歩いていると、ビデオとカメラが私たちをずっと撮り続けている。スポンサーは誠品書店という本屋を主体とした大きなデパートをやっている企業が93%出資しているとの話。かなりコマーシャルにも力をいれ、どんどん新聞やテレビ等でもアピールしているのかなぁ・・と思う。

  スペインビルバオの回顧展での入場者数50数万人、ニューヨークが35万人、北京を合わせると短期間で百万人の入場者数があり、いわきの廃船はどこでも人気が高く、喜んでもらえたと蔡さんが話す。  それに付け加えて、来年はフランスのニースの美術館で「いわきの船も展示してほしいとい」う要望があると聞かされる。いわきチームの皆は、次はフランスだ!!それもニースといえば有名な保養地で海岸線がかなり綺麗なことは誰でも知っている。 私はつい、「決まる確率はかなり高いのですか?」と聞いてしまう。蔡さんは、「来年2月に下見に行って決定するでしょう」と言う。  私が「いわきの北洋船はエンジンもスクリューも無いのに凄いですね!世界各国へ行けますね」と言うと蔡さんも「本当に凄いですね」と嬉しそう。

蔡さんの招待で夕食をご馳走になる
 いわきのメンバー8人に辰己さん、キャリスマネージャ、通訳の・(セン)さん、蔡さんとで台湾料理をご馳走になる。座る席順は、蔡さんが決める。  蒸しえびの前菜に始まり、あわび、えびの餅、牛肉、松茸スープ、果物、きなこ餅等、十種類以上のコース料理が出てきて、みんな大満足。
 食べながら日本語でいろいろな話をし、笑う。蔡さんが急に「・(セン)さん、席を交換してください」と言い出す。蔡さんの左側にいた蔡スタジオのキャリスさんの隣に・(セン)さんを座らせる。彼女は日本語ができないので、皆の話に混ざれないでいたのだ。こんなふうにいつも蔡さんは、細かい気遣いをする。感心してしまう。

 皆で満腹になってくると蔡さんは、「美味しい食事はたまにでいいですね!毎日食べたら体には決して良くないですよ」と言い出す。確かに美味しい料理は食べ過ぎてしまうから、体に良くないだろう・・と妙に納得してしまった。  美味しい料理をご馳走になり、蔡さんともゆっくり話すことができた。明日からの廃船組み立てが楽しみだ。
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