いわきからの贈り物プロジェクト
2006.06.05  
廃船組立て開始

▼組立て開始前打合せ

Photo: Kazuo Ono

いわきから蔡さんの手伝いにいろいろな国を訪れる私たちは、いわきチームと呼ばれるようになった チームに参加するメンバーには常に適切な役割がありどの仕事も欠けるとチームは上手く機能しない。

このようなやり方はいわきで地平線プロジェクトをやり遂げたときに自然に出来上がった。私が特に大事にしたのは食事係と記録係。今回のカナダでもこの要素が蔡さんの理解もあり上手く満たされている。


▼真木さんのカレーを食べる
Photo: Kazuo Ono
廃船を組み立て始まって3時間。どうも思うように進まない。みんなのこんな気持ちを救ってくれたのが陶芸家の真木さんが準備したカレーライス。
真木さんのカレーは、みんなの上手く進まない廃船組み立てに対する不安を見事に吹き飛ばし、午後からの活力を生んだ。


▼抹茶をピエール館長に振舞う真木さん

Photo: Kazuo Ono
さらに午後順調だった組み立てにかげりが見えた時3時の一服。真木さんが焼いた白磁の抹茶碗で抹茶をふるまった。これはカナダのスタッフに大受けで、学芸員はもちろん館長も参加した。こんなふうにチームの力を十分に発揮する為には、食事や休憩がかなり大事だ。
ちなみに蔡さんは真木さんの陶芸家としての能力を高く評価しており、蔡スタジオで使う来客者用食器は、全て真木さんにオーダーして揃えている。

その真木さんの食事係を支えるのが菅野さん。普段の仕事はパソコンに関わる仕事全般。デザインもするし、パソコンの使い方も指導もする。長く警察官を勤めていたが好きなパソコンの仕事をしたいため、数年前に独立した。貴重面な仕事をするので、蔡スタジオへのパソコンを使っての連絡は、全て彼の仕事。会計も担当している。とにかく菅野さんに担当してもらっているところに心配は必要ない。


▼美術館売店に並べられたアートスタジオ
デザインの図録と映像記録社編集のDVD

Photo:Yoshio.Kanno
いわきチームの記録を担当するのが、映像記録社の名和君とアートスタジオの小野君。蔡さんと一緒にする仕事は、スケジュール的にもかなりハードな事が多い。あとで反省したり相談したりする為には、記録はなくてはならない。今回の組み立て時にもスミソニアンでの写真がなければ前に進まない。小野君のアートスタジオでデザインした[蔡といわきと彼の作品]はこのミュージアムの売店にも並び販売される。蔡さんは、小野さんの名前を世界中のたくさんの人が知ってますよと言う。なぜなら小野さんの撮った写真を使う場合、撮影者として名前が載ります。

もうひとつチームのメンバーを楽しませてくれるのが、映像記録社名和君の撮ったビデオ。今まで蔡さんと関わったいわきチームの仕事には必ず名和君が参加している。名和君が撮影したビデオには味があり、編集後のビデオを見ると進行中の苦労を忘れプロジェクトに参加して良かったと思ってしまうから人間って不思議だ。
こうしたメンバーに支えられ、カナダでの廃船組み立て初日は順調に進んで、午後6時作業を終わった。